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2015/10/12

[REVIEW] Kingsman: The Secret Service

映画『キングスマン』オフィシャルサイト kingsman-movie.jp

  ジェントルマンとかマナーとか、聞こえのいい言葉が聞こえてきますが、とにかく人がたくさん死ぬスパイ映画です。「映画じゃないんだから」と007などを茶化しながら、もっと映画らし無茶苦茶な作りをしているのが笑えるというか受けるというか、まあストーリー的には色々な意味で笑い事ではないんですが(笑)
  ロンドンにある仕立屋さんの地下からスパイ組織の本部へというのは斬新ですが、そのキングスマンがつよいのなんの…。片手では足りないチンピラどもを伸してしまうのは当然として、教会で暴徒と化した数十人を華麗なアクションで殺してしまうあたり半端ではありません。そんな無敵の強さを誇るスパイでも、怪しい薬品を浴びて敵の精神支配に屈してしまうし、銃弾一発で倒れてしまうというのが、あっけないというかそこだけリアリティがあるというか、映画らしくないと言うか…。
  世界の危機のために奮闘する現役スパイの活躍の一方で、新メンバーのための試験が行われ、そこに主人公が巻き込まれることに。いいところまでいったんですが、結局最後の試験で落第、愛犬を殺す覚悟が必要と言うことなんですが、そこは「銃を持った瞬間空砲だとわかる」とか言うわけには行かないんですかねぇ(笑)
  世界平和を脅かすのは、東側でも独裁国家でもなく、世界的大企業の社長だというのが今風です。無料で配られたSIMを介して精神支配をたくらむとか、今はまだ笑い話かもしれませんが、ちょっと笑えない展開です。それを防ごうとする主人公の活躍もむなしく、微妙に電波が動作して世界中が大混乱とか、それを防ぐためにチップを埋め込んだ世界各国の要人の頭がぶっとぶとか、さすがR15指定というグロいシーンがコミカルに描かれるのは、ちょっと引いてしまいます。よっぽど政治家とかが嫌いだったんでしょうか。
  敵の謀略を防ぐスパイ映画としてよりも、銃と拳で敵をなぎ倒すアクション映画として楽しめる映画に仕上がっていたと思います。難しいことはともかく目の前の敵をたたきつぶす、という意味では実に見応えのある作品でした。かなり好評で続編という話も出ているらしいのですが、1回だから許されるネタや描写が満載だったので、シリーズとしてうまく行くかは若干疑問です。なにより、魅力的なサブキャラを殺しすぎですし。

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