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2014年9月

2014/09/27

[REVIEW] 翠星のガルガンティア ~めぐる航路、遥か~ 前編

[REVIEW] 翠星のガルガンティア ~めぐる航路、遥か~ 前編

「翠星のガルガンティア」アニメ公式サイト http://gargantia.jp/

  OVAの先行公開ということではありますが、さすがにスクリーンにかけることを前提ということで映画といっても問題ないクオリティの仕上がりだったと思います。チェインバーが海の底に沈んでしまったということでどんな続編を作れるのか、正直かなり心配していましたが、半年たって地球になじんだレドの成長という意味で、素晴らしい後日談に仕上がっていたと思います。
  クーゲル船団出身で、エイミーの後輩となって配達業務を行うことになったリーマ、機械に詳しかったりユンボロを乗りこなしたり、出来る理系女子的なオーラを漂わせています。ただ実はマシンの使い手らしく聞き慣れない言葉を喋っていたり怪しさ満載です。今のところ宇宙人のレドに興味津々の女の子という立ち位置ではありますが、今後どのようなことをたくらんでいるのか、かなり注目です。
  一方、レドとエイミーはすっかり恋人モード。さすがに手をつないだりはしないようですが、一緒にお出かけぐらいは気兼ねなくするようになりました。沈没船の引き上げでレドが事故に巻き込まれた時のエイミーの取り乱しようは、もう友達というレベルを凌駕した状態です。まあ、テレビシリーズのころからそういう状態ではありましたけどね(笑)
  クーゲル戦闘後の「今」と、回想で語られる「昔」をうまく組み合わせることで、50分という時間以上の濃密なストーリーとなったことには感心しました。TVシリーズでは語りきれなかった日常生活にもしっかりスポットを当てつつ、嵐のシーンや沈没船の引き上げのシーンでしっかり見せ場を作る。「今」にチェインバーはいないけれど、でもレドがパイロットとして活躍するシーンはいかにもガルガンティアらしいと感じました。後は、3人娘がしっかり存在感を出していたところも。
  TVシリーズの補完という総集編的な面も出しつつ、決戦から半年後という新しいストーリーを紡ぎ、銀河同盟との関係という意味でも新しいロボットを登場させる。これだけ盛りだくさんな作品を作ったにも関わらず、まったく破綻していないというのは本当にすごいことだと思います。TVシリーズを見た人には当然見てほしい作品ですが、映画館で始めてみた人にも、これを期にTVシリーズを見たくさせるような素晴らしい出来だったと思います。

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2014/09/19

注目映画公開スケジュール(201409後半/10前半)

注目の新作

9/19

 猿の惑星:新世紀(ライジング)        http://www.foxmovies-jp.com/saruwaku-r/
   個人的には猿に支配された地球なんてシチュエーションは好きではないのですが、
 大作という意味では見ておくべき作品だと思います。

 弱虫ペダル Re:RIDE   
           http://yowapeda.com/reride/
   TVシリーズ1期の総集編の先行公開という事になりそうです。残念ながらTVシリーズ
  ノーチェックですが、逆にそのチェックのためにちょうどいい作品みたいです

9/20
 ストライクウィッチーズ Operation Victory Arrow Vol.1 サン・トロンの雷鳴
                        http://w-witch.jp/
   TV2作、映画ときて続いてはOVA、第3期ではないのがちょっぴり残念ですが、
  でも楽しみな新作です。20日に舞台挨拶に行ってきます(^_^)

9/27

 ジャージー・ボーイズ http://wwws.warnerbros.co.jp/jerseyboys/
   リアルタイムで聞いていたわけではないのですが、オールド・ポップスには心引かれる
  ものがあるので、是非とも見に行きたいところです。ただ、音楽が絡む映画は色々
  突っ込みどころは満載だったりするんじゃないかというのが心配です。

翠星のガルガンティア めぐる航路、遥か 前編 http://gargantia.jp/
  人気TVアニメのOVAと言うことらしいです。舞台挨拶行ってきます。ただし、まだ
 本編を見たことが無いので、これから見ます。

10/11
 宇宙戦艦ヤマト2199 追憶の航海  http://yamato2199.net/
  劇場のイベント上映を少なくとも2回ずつは見てブルーレイも持っているのですが、
 当然、総集編の上映も見に行きます。

観た映画

攻殻機動隊 ARISE border:4 Ghost Stands Alone
   今度は映画で会いましょう。

LUCY
   Sヨハンソンが天井をうにょうにょ…

ルパン三世
   キャラはクリアだけどストーリーがなぁ…

Into the Storm
   アメリカの竜巻怖い…

観たDVD
 カプリコン・1 もう少し宇宙っぽい印象だったんですが、完全なサスペンスでした(笑)

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2014/09/14

[REVIEW] Into the Storm

映画『イントゥ・ザ・ストーム』 オフィシャルサイト  http://wwws.warnerbros.co.jp/intothestorm/

  アイデア的にはありふれたパニック映画だとは思うのですが、けた外れの規模で作ると面白くならざるをえないと感心させられました。
  登場人物がすべからくカメラを持ってたり、そこに対してテロップが入ったりする序盤の展開にはかなり違和感を感じたものの、中盤から終盤にかけての竜巻とそこから逃げ回ったり追いかけたりする人々の奮闘ぶりがメインなので、その意味ではよくできた作品だったと思います。多少どころではなく過剰なドラマ演出や、アメリカ人の大好きな家族の絆が前面に出てきたりはしますが、あれだけ無茶苦茶な竜巻の後では当然といえば当然かと。ただ、女友達と出かけた廃工場で、おぼれる寸前の大ピンチから助け出されるのは、さすがに演出としてもやりすぎかと。竜巻の恐怖だけで十分な映画になったはずなのに、ちょっとやりすぎな印象は否めません。
  後は、youtube    に投稿するために写真を撮りまくる酔っぱらいコンビ。そういう残念な人達がいるとは思うのですが、あれだけの竜巻に吹き飛ばされてピンピンしている時点で、せっかくのパニック映画がコメディになってしまいました。それでいて竜巻ハンターなピートさんや新米カメラマンは命を落としているのだから、コメディとシリアスのバランスが崩壊しているといわざるを得ません。色々つっこみどころは満載ではありますが、大自然の驚異を伝えるという映画の趣旨からすれば大成功の映画だったと言えるでしょう。残念ながら竜巻に遭ったことはないので、あれだけの規模の竜巻が起こりうるのか、という点はわかりませんが、映画としては許容範囲な気はします。
  何か聞いたような声が聞こえてくるなぁと思ったら、内山君と早見さんという、予想だにしなかったキャストに驚かされました。内山君はともかく、早見さんの声が認識できなかったのは、ふがいない思いでいっぱいです…。

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[REVIEW] ルパン三世

ルパン三世  http://lupin-the-movie.jp/

  大泥棒の活躍という点を除いては、面白いアクション映画ではあったけど、ルパン三世である必然はなかった、と言うのが正直な印象です。
  ルパン三世だから、活躍の舞台が日本に収まらないのはいいとは思います。ただ、よくわからないパートナーとして韓国方面らしき人達が加わっていることで、胡散臭さが増しているのはどうなんでしょう。タイ国軍の協力のロケで派手さは増したかもしれませんが、キャスティングやストーリーから原作らしさが損なわれたのは間違いのないところです。
  主役のルパンに関しても、アニメキャラに似せようという仕草や台詞回しの努力はよくわかるのですが、無理にこだわるあまり違和感を感じました。原作に必要以上もこだわる必要もないとは思いますが、やはり国民的アニメだけに比べられるのは避けられないところなので、その意味でちょっと残念な出来だったと言わざるを得ません。次元さんにはニヒルさが足りないし、五右衛門はさすがに実写で再現するのは無理があるし、不二子ちゃんは声が沢城さんでも増山さんでもないし…(笑)
  人を殺さないのが売りのルパン三世なのに人が死にまくるし、そもそも怪しい犯罪組織に属している時点でルパンらしくないぞと、これでも原作チェックでかなりソフトに修正したとか。とっつぁんはかなりがんばってたけど、タイの軍関係者と既知の仲というのは強引だし、タブレットを操作してルパンの手配写真を出している時点で違うだろうと(笑) 後は、関係者がみんな流暢な日本語を喋っているのは、吹き替え版とは言え実写だと違和感を感じます。
  原作への敬意を払うのは大切なことですが、そもそもアニメを実写にすること自体不可能な挑戦なのだから、あまりに原作にこだわると無理がでてくるのは必然です。その意味で今回の映画はちょっと方向を間違えたと言わざるを得ません。百歩譲って実写化はありにしても、韓国方面のメンバーと協力というのは、絶対おかしいだろうというのが正直な印象です。

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[REVIEW] LUCY

映画『LUCY/ルーシー』  http://lucymovie.jp/

  すごく面白いSF映画だったとは思うのですが、ハリウッドはどうしてホラー的な色付けに執拗にこだわるのかというところにストレスを感じてしまう映画でした。当初の売りとしては「超人類」的なスーパーな美女と言うのを売りにしていたと思うのですが、その実はアジア系のマフィア映画もびっくりの血と銃弾のオンパレードでした。せっかくスカーレットヨハンソンを起用しているのだから、そんなに血とか銃とかを強調しなくてもいいのにと言うのが正直な感想です。
  よくわからないけど、残念な美女が闇の世界の抗争に巻き込まれて大変なことになってます。クラブ的な場所で踊りくるってチンピラと関わっている時点で自業自得という気もしますが、それでもいきなり彼氏が銃撃されておなかに薬を入れられるとか、どうしたものですと言う感じです。さらに運び屋なのに地下に監禁されているとか、正直なんだろうなぁと言う感じです。
  そこからは天井をはいずり回ったり、敵を天井に張り付けたり、追ってくる刑事を気絶させたりとか、ホラーを通り越してコメディです(笑) どうせ死ぬからと科学者を訪れ、100%の高みを目指すという決断もすごいですが、最後はおどろおどろしい黒いものに囲まれた末に消滅してしまうとか…。神になったというところに落としたということなんでしょうが、結局なんだったんだろうなぁと呆気にとられる結末でした。
  100%の知識がUSBメモリ1枚に格納されたというのも驚きですし、どういうフォーマットで入ったかという興味はありますが、とりあえずスカーレット・ヨハンソンはエロくなくてもすごかったというのは間違いないところなので、そこを目当てで行くには大変よくできた良作だったと言えるでしょう。ストーリー的には、目の付けどころは悪くないのですが消化不良感はいなめないかなと。まあ、SF映画の宿命といえばそれまでなのかもしれませんが(笑)

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2014/09/06

[REVIEW] 攻殻機動隊 ARISE border:4 Ghost Stands Alone

攻殻機動隊ARISE -GHOST IN THE SHELL-公式サイト。 http://kokaku-a.jp/

  今回の第4作のテーマは「オマージュ」だそうで、確かに、ビルから飛び降りる素子さんを筆頭に、観たようなシーンや台詞が連発だったなぁと言う印象です。ただし、それ以上に驚かされたのが、2015年の新作映画化の発表でしょうか。元々渋い作品なのでマーケティング面で若干どころではなく心配だったのですが、新作映画を作るほどには好評らしいということで、ファンとしては一安心というところです。
  茅野さんとか小野さんとか、攻殻らしからぬ若手を起用してきましたが、まあ元々異端なキャラなのでありなのかなという感じです。攻殻の濃いキャラに混じって演技をしてもらってお疲れさまでしたという感じでした。「緊張している」という茅野さんの様子も宜なるかなと言う感じです。
  前作までと比べると素子さんは比較的お仕事をがんばってます。ただ、いきなりテロを防ぐのに失敗したり、まだまだ感は否めません。それは素子さんに限らずバトーさんやサイトウさんも同様で、色々な意味でみんな若いなと言う感じです。
  そして、ゴーストとネットの絡みと言う攻殻のメインテーマへ繋がるストーリー。相変わらず難解で一回みただけではよくわかりませんが、そこがいかにも攻殻らしい気がしました。結局エマさん達がゴーストを捨ててまでいきることにこだわった理由はなんなのか、そして結果として2人がどうなったのかは、素子さんたちの推測で語られるのみで、結末は出ていません。ただ、そんな葛藤の積み重ねで、今後のシリーズにつながったというのはなんとなくわかった気がします。
  まあ、1回みただけではわからないし、ARISEのみならず、これまでの作品を見返してわかるようなネタも随所にあることだと思います。それでも過去作品を見てみたいなと思わせるのが攻殻のすごさだとは思うし、重苦しいテーマの連続でみると激しく疲れますが、でも見ないではいられないARISEのすごさだと思います。唯一心配なのは、こうしてARISEを含めてうまくつながった世界観に、新作映画がどう絡んでくるのかということでしょうか。なにより、これまで同様、坂本素子でいくのか、あるいは田中素子の復活がなるのかというところが、ファンとしては大変気になるところです。

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