[REVIEW] Divergent
映画『ダイバージェント』公式サイト http://divergent.jp/
戦争後の世界を描いたという意味ではSFになるとは思うのですが、その実は底辺からははいあがる女の子の格闘アクションの印象が強いように思いました。ただ、女の子がリアルに殴りあって鼻から血を出しているのはちょっと…、という感じではあるのですが。
遺伝子とか性格によって5つの世界に振り分けるという前提ながら、最終判断は本人にゆだねられるというのが、権利とかにうるさいアメリカっぽいかとは思いました。5つの振り分けで過不足はないのかと言う話はさておき、どの勢力も属せまいと浮浪者になったり最悪殺されるというのはなんともすごいディストピアです。
そもそもどうして命をねらわれるのかとか、5グループの力関係がどうなっているのかとかはあまり深く描かれず、トリスちゃんが殴ったり戦ったりするシーンが描かれます。そしてダイバージェントは洗脳をされることもなく最終的に敵と戦うことになるわけです。さらに、シカゴ以外の世界がどうなっているのか、ほんとに人類がほぼ滅亡したのかとか、ともかくつっこみどころにあふれた作品です。
そしてどうにか洗脳を解除したものの、トリスちゃんとそのメンバーが列車に飛び乗ったところでおしまいです。危ういながらも保たれていた5派閥の調和が、博識の暴走でどうなったかとかは一切描かれることはなく、「私たちの戦いは始まったばかりだ」で終わられても…。まあ、続編は作りやすいなぁとは思うのですが(笑)
せっかくおもしろい世界観を構築下のだから、もう少しそのあたりをしっかりと描いてほしかったと思います。戦うトリスちゃんを描くためだけなら、こういうSF設定は別になくてもいいんじゃないかとは思いました。まあ、そういう映画だと割り切ってもいいんですが、それなら予告編のSF満載な見せ方に偽りありだぞと言わざるを得ません。おもしろい映画ではあったのですが、最後まで違和感が払拭される事は無かった感じです。
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