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2014/05/25

[REVIEW] Next Goal Wins

映画『ネクスト・ゴール!世界最弱のサッカー代表チーム 0対31からの挑戦』  http://nextgoal.asmik-ace.co.jp/

 「事実は小説よりも奇なり」というのは昔からよくいわれる格言ではあるが、サッカーほどこれを思い知らされるものは珍しいといえるだろう。オーストラリアに31失点の後、それ以外の国にもいいところなく惨敗していた世界最弱チームが、国際試合での初勝利と一次予選進出をかけて試合に臨んだあらましが描かれたドキュメントは、サッカーファンならずとも胸を打たれること間違いないだろう。
  映画を見て一番最初に感じたのは、「そういえばオーストラリアはOFCに属してたなぁ」と言うことだった。31対0と言うスコアが発生することは、敗者にとってはもちろんのこと、勝者にとっても不幸な事態であることは間違いない。そしてオーストラリアほどではないにしても、他の強豪に対しても大量失点で敗れてしまう状況からの脱却というのは、普通に考えると困難どころか不可能としか思えない。
  そんな不可能への挑戦に挑んだのが、アメリカのサッカー協会にやとわれたオランダ人。最初は文化ややり方の違いに衝突こそしたものの、選手達のおかれた状況を理解し、その中でベストを尽くす姿に心を打たれて一致団結してワールドカップ予選に挑む様子は素晴らしいとしか言いようがない。そして、第1戦でいきなり2対1の番狂わせでの勝利、第2戦ではスコアレスドローで最終戦に2次予選進出をかけた決戦に望むとなれば、それだけで大勝利と言っていいだろう。
  最終戦でも押されながらも失点を許さずにゲームが進むが、決定機をポストに阻まれた後、そこからのカウンターで失点。この結果敗退を強いられるのは、なんとも出来すぎたドラマではある。なかなか自分達の思い通りに行かないサッカーの面白さであり怖さでもある、ということを思い知らされたシーンだった。
  2試合の番狂わせと予選通過まで後一歩と迫ったアメリカ領サモアの挑戦は、終わったわけではなくまだ始まったばかりではある。今後順風満帆にチームが強くなっていくわけではないし、これからも敗戦を強いられることはあるのだろう。それは次のワールドカップ予選や国際大会での彼らの挑戦がどうなるかに期待したいところである。
  年収数十億を手にするプロ選手がいる一方で、仕事の終わった夜に練習をこなすアマチュア選手がいるのがサッカーの現実であり理不尽な点ではある。プロになれなくても、サッカーで収入を得ることがなくても、ボールを蹴り続ける選手達がたくさんいる、ということを改めて思い知らされてもらったという意味ですごく貴重な映画だと言える。そして、彼らが熱意を失うことなくボールをけり続けているという点で、サッカーの魅力についてあらためて思い知らされたというのが正直な感想である。ただ、出来ればもう少し大きな劇場と多くの場所で公開してもらいたかったというのが唯一残念な点だと言えるだろう。

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