[REVIEW] The Secret Life of Walter Mitty
映画『LIFE!/ライフ』オフィシャルサイト http://www.foxmovies.jp/life/
日本語タイトルは「ライフ」だが、原題は「ウォルター・ミティの人生」ということになるのだろうか、それと雑誌の「ライフ」を引っかけたタイトルということになるのだろう。
最終刊を飾るネガを紛失した現像係が、その在処を求めて写真家の後を追いかけるというストーリーも破天荒なら、白昼夢というか妄想内容が時折差し込まれるのも斬新な展開ではある。人形を巡って町中でバトルを繰り広げたり、エレベーターの中で殴りあいをしたりするのは、アクション映画では見慣れた風景ではあるが、現実のサラリーマンにはもちろんあり得ないシチュエーションではある。
しかし物語が進むにつれ、そういう妄想は陰を潜めて彼の行動自体が「ドラマ」と化していく。ヘリから漁船めがけて飛び降りたり、スケボーで道路を滑走したり噴火から逃げ出したり、ヒマラヤの高山に山登りしたり。そして頂上でカメラマンと奇跡の再会をするあたり、あまりにもよくできたストーリーではある。
個人的には、問題のネガというのは、ネガ係の彼が旅した風景の中から選ばれるまだ贈られていない写真かと思ったのだが…、まあそのあたりは映画のキモなのでスクリーンで確認してほしいところではあるが、そういうところまで含めた「ウォルター・ミティの人生」ということになる気がする。グリーンランド、アイスランド、アフガニスタンと続く旅路は普通のサラリーマンにとってはありえない経験であり、その風景を見ているだけでも楽しめる。
CM効果で芸能人を使うことについては、どこかに需要がある、もしくはあると思っている人たちがいるから起用されるのだろうからあまり強く言う気はないが、それならストーリー全体のキャスティングについては、通常の吹き替え映画以上に注意を払う必要があるだろう。幾度か役者経験はあるにしても吹き替えは素人の芸能人と、声優歴20年を越えようと言うベテラン声優さんの絡みは、だれがどう聞いてもチグハグだとしか言いようがない。正直わざわざ起用した意図も不明であり、せっかくの作品をスポイルしていると言わざるを得ないだろう。まあ、終盤は山の風景シーンの見せ場が多く台詞が少なかったのが致命的自体を避けられた印象だが、それでも主役の吹き替えに関しては残念な印象しか残らない。
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