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2014/03/01

[REVIEW] 魔女の宅急便

映画「魔女の宅急便」公式サイト  http://www.majotaku.jp/

  89年のジブリの映画化から25年ぶりに実写映画としてよみがえった訳ですが、正直「思ったよりはよくできていたなぁ」と言う印象です。女の子が空を飛ぶというトンデモ設定をきちんと描けただけでよしとすべきと言う気がします。今回舞台として選ばれたのは、瀬戸内海の島々にある多分架空の街。輸送手段が船しかないということで、キキの飛行能力が真価を発揮するという設定だそうです。ただ、町並みは田舎の街には無いようなファッショナブルというかカラフルな建物があふれています。そもそも、そんな人の少ないところに動物園はないだろうと思うのですが…(笑)
  洗濯物を箒につけて飛び回ったことで評判になったのもつかの間、動物園での騒動や呪いの手紙騒動で、呪いを運ぶという誤解が広がるあたりは、今作の新たな設定です。魔女につきまとうダークな面を描くという意味では面白い狙いだとは思うのですが、逆にそれでお子さま向けの爽快さを奪ったという印象は拭えません。結果として中盤が中だるみというかちょっと間延びした印象は否めません。特に本来のターゲットであるはずの小さい女の子にはつらい時間があったと思います。
  最初は喧嘩ばかりしていたトンボとも、彼が墜落したのを助けることで友達となり、そしてクライマックスの輸送では一緒に飛ぶことに。小カバと少年とゴムボートを、魔女見習いの魔力で運ぶことが可能か、とか、船さえ動かない嵐の中をそんな大荷物を抱えて飛ばせることに倫理的問題ないのか、とか、ツッコミどころは満載ですが、そこはファンタジーと言うことで(笑)
  まあ、色々ありましたが、最後は突然手のひらを返した街の人たちに温かく迎えられておしまいとなるわけです。ただ、「もうすぐ1年です」で突然終わらせるのはどうなんだろうなぁと。「ええ、それでおしまい!」と呆気にとられてしまいました。まあ、続編作るのなら悪くはない終わり方なんでしょうが。アニメでお馴染みの荒井さんの曲は全く流れませんが、新しく準備された曲は悪くないと思います。特に、CMでも流れていたEDの曲は、前作に勝るとも劣らず物語になじんでいたと思います。昔見たジブリ映画とはかなり異なりますが、新しい宅急便も、ありだな、と思わせる仕上がりだったといえるでしょう。実写にしたせいか対象年齢があがったのは評価の分かれるところのような気もしますが。
  美菜子ちゃんの出番は思ったより多かったです。最後に喋れなくなることも無かったし、存在感を見せてました。あまり小動物的な役の印象はなかったのですが、なんともうまくはまっていたと思います。予想を上回るマッチ度はうれしい誤算でした。

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