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2014年3月

2014/03/09

[REVIEW] The Hobbit: The Desolation of Smaug

映画『ホビット 竜に奪われた王国』公式サイト  http://wwws.warnerbros.co.jp/thehobbitdesolationofsmaug/

  風景の雄大さはいまさらいうまでもないことですが、本作ではそれに加えて殺陣の素晴らしさが加わったというのが大きな見所の一つになるかと思います。もちろん、アクションシーンは第1作でも見せ場ではあったのですが、それがますますパワーアップしたと言えるでしょう。目的地へ行くために森を突っ切ろうとした一行が、エルフに囚われたりオークに追われたりしながらもどうにか目的の地にたどり着き、そこでかつて国を滅ぼしたドラゴンと対峙するというのが今回の骨子になるわけです。三部作予定の二作目ということで、次回へ続くというつなぎ的な展開になるのはしょうがないでしょう。だからといって、無敵ドラゴンが麓の街に飛び去ったところでおわるのは、あまりにもという気がしないでもないですが…。
  森のエルフに囚われた一行が、酒樽に入って脱出する川下りのシーンは、本作の見せ場の一つと言えるでしょう。激しい水流に流され、川の両岸には凶悪なオーク、そして追ってくる弓矢を巧みに操るエルフ達。結果としてオーク対エルフ&ゴブリンという構図になるわけですが、アクションシーンがすごいの一言。川の流れに乗ってリズムよく相手を倒していく様は爽快です。この一連のシーンを見るだけでも映画に行く価値があるでしょう。もちろん、本作の売りの一つであるドラゴンとの対決シーンもものすごい迫力です。まあ、一方的に逃げ回っているというのが正直なところではあるのですが、何せ融解した高温の黄金を浴びせられても怪我一つしない無敵キャラなのだから、それもやむなしでしょう。しかし、あのドラゴンは黄金の財宝の中でいつから寝てたんでしょう…。
  前作から登場しているみなさんはさておくとして、個人的に甲斐田さんのエルフが直球ストライクでした。その声を聞けただけで映画に行ったかいがあるというものです。あと、高木渉君の「化物グモ」はなんとなく納得できました(笑)
  正直、原作を読んでないので話的によくわからないところもありましたが、それでも迫力シーンの数々だけで十分に映画を堪能できました。このあたりのパワーで押してくるあたりがさすがのハリウッド大作と言えるでしょう。ちょっと時間は長いですが、それでも万人に見てほしい映画であることは間違いないです。オークの首がポンポン飛ぶのは、多少どうかなぁとも思わないでもないですが(笑)

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2014/03/04

[REVIEW] Jack Ryan: Shadow Recruit

映画『エージェント:ライアン』公式サイト  http://www.agentryan.jp/

  トム・クランシー原作のジャック・ライアンが戻ってきたということで、結構期待していたのですが、思ったより地味だったなぁという印象です。非常におもしろくはあったんですが…。
  今度のライアンは、会社勤めのサラリーマンです。投資銀行のコンサルタントかつ実はCIA所属だったりするのですが、サラリーマンなところに変わりはありません。それでも情報を分析して金の流れからテロ発生の可能性を導き出したりしているのですが、人手不足ということもあり自分で解決に向かう羽目にという不幸ぶり。ロシアに着くなり敵の用心棒に殺されそうになるわけで、このために海兵隊で鍛えたなんて設定を序盤で見せたのでしょうが、ちょっと前置きが長かったかなと。ヘリのシーンや彼女と出会うシーンなどは、長編シリーズの第1作としてはありなんでしょうが、果たして映画でやる必要があったのかと言われると疑問です…。
  そうした前置きに時間を使ったことで、物語の舞台はロシアとニューヨークに絞られます。まあ、007やMIFが飛行機で世界を飛び回り過ぎだと言う話もあるのでしょうが、それらと比べると地味感は否めません。そしてライアン自体がまだまだ一流スパイからは遠いというのに、ビルに潜入して相手のパソコンをハック出来たりしているのも若干の違和感を感じます。なにより、相手のテロ組織の狙いを次から次へと導き出して対応するというのは、映画にしても出来すぎだろうと(笑)
  結局、体を張ったアクションが見せたかったのかサイバー的なハッキングが見せたかったのか、はたまた戦う普通のサラリーマンの悪戦苦闘が見せたかったのか、いまいちよくわからないままに2時間がおわってしまった言う印象です。あと、敵組織としても、テロが失敗した時点で自分の身もアウトなんだから、自暴自棄で売りオペレーション実行なんて展開もありそうな気がしました。。
  クリス・パインさんに見覚えがあると思ったら、カーク船長でした。ケネス・ブラナーさんもワルキューレあたりで見た記憶があります。とはいえ、ケビン・コスナーの存在感はさすが、もうすぐ60歳らしいのですが、渋いわき役が似合うようになったなぁと言う印象です。アメリカ方面で人気がでれば続編もあるし、そうすれば見に行くとは思いますが、日本では大ヒットはしないような気がします。

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2014/03/01

[REVIEW] 魔女の宅急便

映画「魔女の宅急便」公式サイト  http://www.majotaku.jp/

  89年のジブリの映画化から25年ぶりに実写映画としてよみがえった訳ですが、正直「思ったよりはよくできていたなぁ」と言う印象です。女の子が空を飛ぶというトンデモ設定をきちんと描けただけでよしとすべきと言う気がします。今回舞台として選ばれたのは、瀬戸内海の島々にある多分架空の街。輸送手段が船しかないということで、キキの飛行能力が真価を発揮するという設定だそうです。ただ、町並みは田舎の街には無いようなファッショナブルというかカラフルな建物があふれています。そもそも、そんな人の少ないところに動物園はないだろうと思うのですが…(笑)
  洗濯物を箒につけて飛び回ったことで評判になったのもつかの間、動物園での騒動や呪いの手紙騒動で、呪いを運ぶという誤解が広がるあたりは、今作の新たな設定です。魔女につきまとうダークな面を描くという意味では面白い狙いだとは思うのですが、逆にそれでお子さま向けの爽快さを奪ったという印象は拭えません。結果として中盤が中だるみというかちょっと間延びした印象は否めません。特に本来のターゲットであるはずの小さい女の子にはつらい時間があったと思います。
  最初は喧嘩ばかりしていたトンボとも、彼が墜落したのを助けることで友達となり、そしてクライマックスの輸送では一緒に飛ぶことに。小カバと少年とゴムボートを、魔女見習いの魔力で運ぶことが可能か、とか、船さえ動かない嵐の中をそんな大荷物を抱えて飛ばせることに倫理的問題ないのか、とか、ツッコミどころは満載ですが、そこはファンタジーと言うことで(笑)
  まあ、色々ありましたが、最後は突然手のひらを返した街の人たちに温かく迎えられておしまいとなるわけです。ただ、「もうすぐ1年です」で突然終わらせるのはどうなんだろうなぁと。「ええ、それでおしまい!」と呆気にとられてしまいました。まあ、続編作るのなら悪くはない終わり方なんでしょうが。アニメでお馴染みの荒井さんの曲は全く流れませんが、新しく準備された曲は悪くないと思います。特に、CMでも流れていたEDの曲は、前作に勝るとも劣らず物語になじんでいたと思います。昔見たジブリ映画とはかなり異なりますが、新しい宅急便も、ありだな、と思わせる仕上がりだったといえるでしょう。実写にしたせいか対象年齢があがったのは評価の分かれるところのような気もしますが。
  美菜子ちゃんの出番は思ったより多かったです。最後に喋れなくなることも無かったし、存在感を見せてました。あまり小動物的な役の印象はなかったのですが、なんともうまくはまっていたと思います。予想を上回るマッチ度はうれしい誤算でした。

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