[REVIEW] Rush
映画『ラッシュ/プライドと友情』公式サイト http://rush.gaga.ne.jp/index.html
今までで最高のレース映画だったとは思うのですが、キャッチコピーで自画自賛するほど素晴らしい映画かと言われると悩ましいところです。まあ、中途半端にF1のファンであることが影響しているのかもしれませんが…。
舞台のメインは1976年のF1グランプリ、今から50年近く前のお話ということで、実際のバトルを目にした人の方が少数派、今のF1ファンはラウダが走る姿は見てないだろうし、Jハントの解説しているシーンさえも見てないでしょう。登場するコースもワトキンス・グレンやポール・リカールと、今はF1で行われていないコースばかり。そしてマシンはコスワースDFVでマニュアルの時代とくれば、正直今のF1とは違うカテゴリーだというしかありません。F1ファン的には「何を今更…」というのが大多数の感想でしょう。
ただ、レース映画という点から見れば、ラウダとハントと言う対極のレーサーをそれぞれの視点から見せたと言う点で、実にうまい題材を見つけてきたという印象です。ライバルと言う意味では、セナ&プロストを筆頭にもっと激しい関係のドライバーはいたと思うのですが、ここまでレースにのぞむ姿勢が逆な二人というのは記憶にありません。二人の間の言動がどこまでが真実でどこからが脚色か知るすべもないのですが、事実に基づいたストーリーということで結構くるものがあったように思います。
ニキに関しては未だレースに関わっているということで悪いことは描けなかったんだろうなぁという気がしないでもないですが、それでも他のドライバーとの人間関係のあたりはかなり踏み込んでいると思います。何より、本人が「いい映画」と絶賛しているのだから、ファンとしても深く考えずにレース映画として楽しめばいいと言うことでしょう。個人的にはもう少しレース展開やシーズンがわかる形にしてほしかったなぁとは思います。一般受けはしないとは思いますが。
kinki-kidsの二人を主役の吹き替えというのはかなり無謀に思えましたが、思ったよりも健闘していた気がしますが、そもそも二人の声質があってないような印象は受けました。その意味でプロの声優さんを使ってもらった方がもっと世界観に入れたように思います。できればBD版の時にはキャストを変更してほしいですが、まあ無理なんでしょうね…。繰り返しになりますが、とてもいい映画だったとは思うのですが「最高の一本を変える映画」と言うキャッチフレーズは盛りすぎだと思いました。
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