[REVIEW] サカサマのパテマ
映画『サカサマのパテマ』オフィシャルサイト http://patema.jp/
舞台設定、映像美、そしてストーリーと、作品のすべてにおいて今年の最優秀作品を名乗るに値する素晴らしい映画だったと断言できる最高の映画でした。
空から女の子が降ってくるというのは昨今のテレビアニメでは何故かよくある設定ですが、女の子が上方向に落ちていくというのはなんとも斬新な話です。重力の作用する方向が逆向きの人々が出会ったら…、どうしてそういうことが起こっているのかはともかく、もしもそんな事態になったら双方パニックになるのは間違いないところです。エイジが普通に見上げる空がパテマにとっては奈落の底…。正直、この作品を見てからは空を見上げるのが怖くなることがあります。
作品を見ているときに突然視点が入れ替わり180度上下が逆転する。CG時代だから頑張ればできる表現ですが、普段見ない視点だけに驚かされます。そしてそんなサカサマな二人が抱き合うとこで重量が軽くなって空を跳べる…。なんともファンタジーなシーンではありますが、もしもパテマの方が重かったりしたら、かなり悲惨な結末を迎えたことでしょう(笑)。まあ、それ以上に女の子のお腹に顔を埋めるあの姿勢はどうなんだと考えてしまうのが汚れた大人の残念なところではあるのですが。
そして世界観の方でも驚きの展開が。「重石」をつけられたパテマに引きずられた二人がたどり着いたのは世界の「天井」。ちょうどいい具合にお父さんの気球があったりメモが残ってたりした上に、あれだけ過酷な環境でよくマシンが動作したなぁ、なんて野暮なことはファンタジー的に言ってはいけないことなのでしょう(笑)
最後の最後に、実は…、という大どんでん返しのネタばらしがあってエンディングを迎えるわけです。とりあえず空の美しさに見入る二人と周りの面々ですが、この後どうなっていくのかは心配なところではあります。地表が元に戻ったのだからそこで暮らすのが筋だとは思うのですが、一方で地上には出れない人々もいて…。それよりなにより、Z軸が180度異なる二人は、きっと一緒に暮らしたりはできないんだろうなぁと。
なんていうか久しぶりにSFらしいSFを見せてもらった気がします。サカサマ人との遭遇という想像だにしない世界を見せられたせいで、頭が混乱してグルグル回っているかのようです。そうやって観客を混乱させられたと言うところで、スタッフ的には大成功と言うことなのでしょう。惜しむらくは「頑張って公開館が増えるような一般的な作りにした」と言う監督のコメントにも関わらず、限定公開な状況になっているのが残念です。アニメファンな人にもそうでない人にも、一人でもたくさんの人に見てほしい素晴らしい映画だと思うので。とりあえず少なくとも、もう1回は見に行きますし、ブルーレイも購入したいと思わせてくれる作品であることは間違いのないところです。
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