[REVIEW] 劇場版 魔法少女まどかマギカ[新編]叛逆の物語
劇場版 魔法少女まどかマギカ[新編]叛逆の物語 http://www.madoka-magica.com/
TVシリーズ再編集の前編後編を経て、待望の公開日を迎えたわけですが、期待にそぐわぬ、というかあらゆる意味で期待や予想を大きく上回る、すべてにおいて斜め上な素晴らしい作品を見せてもらったことには、関係者のみなさんへの感謝の気持ちで一杯です。
何事もなかったようにまどかちゃんやさやかちゃんが戦ってます。ただし相手はナイトメアという謎の存在。。翌朝目覚めたまどかさんがお母さんと一緒に歯を磨いた後学校へ出かけ、さやかちゃんや杏子ちゃんとワイワイしながら登校して転校生の三つ編みほむほむを迎えたりします。このあたりの説明は一切ありません。今までと同じような日常ですが、何かがおかしいという印象はありつつも、とりあえず物語の進行を見守るしかありません。
観客が感じる違和感というのが、実はほむほむが感じている違和感に通じるもので、それを杏子ちゃんに相談するところから物語が動き始めます。それまでの日常ホワホワから一転、真実をめぐってほむほむとマミさんが激しいバトルを展開。そのアクションの激しさすさまじさは、本当にすごいとしかいいようがありません。そのバトルを決着させるために自分に銃口を向けるとか、ちょっとあり得なさすぎです。
そこから物語が急転回して、クライマックス・バトルを迎える訳ですが、キュウべぇの久々の悪役っぷりには旋律させられました。世界のルールが変わってキュウべぇの役割も変わったと思いきや、さらなるエネルギーの回収のために円環の断りを解明しようとは…。そしてそのためにほむほむに対する仕打ちがひどすぎです。まあ、世界が変わってもぶれてないといえばまったくぶれてない存在ではあるのですが…。
それでも、さやかさんとベベさんの活躍で救われておしまい、と思ったところで、さらなるどんでん返し。まさか、あそこでほむほむが…、と観客すべてが驚かされたことは間違いありません。まあ、まどかにできたことだからほむほむにも出来ない理由はないのですが、まさかまた宇宙の創世を見ることになるとは予想だにしていませんでした。しかも、まどかの作った世界・思いを全否定するかのような横暴ぶり。退散しようとするキュウべぇを逃がさないあたり、本当に怖かったです。「宇宙人ごときが神様にかなうわけがない」という関係者の言葉を思い知らされる結果となりました。
ほむほむのご乱心ぶりについては、観客の数ほど解釈・感想が生まれるのは必然だと思います。個人的には、まどかの思いはさておき、その境遇に納得していなかったほむほむの爆発は、必然だったと感じています。普通のやとりとは違うのですが「愛」という表現もあながち間違ってはいないのかなと。
何事もなかったかのようにはじまった世界では、力を奪われつつも何かを秘めているまどかが、転校生としてやってきます。さらなる展開がありそうなモヤモヤした雰囲気の中、とりあえず映画としてはエンディングを迎えます。「映画はハッピーエンドで終わるべし」というのが王道ではありますが、完全にハッピーではないし終わってもないけど、まどマギ的には全然ありだと思いました。
すべての人が大円団だと感じていたあのエンディングを全否定しかねない展開で、続きを作ってさらなる展開を導くことの出きるシチュエーションを創り出した関係者の皆さんには、ただただ感服するしかありません。この展開を予想できたファンは一人もいなかったことは間違いないでしょうが、結末に納得できたかはともかく、全員が作品を堪能出来たことは間違いないと想います。そして1回や2回ではわからない点、気づかない点であふれている作品なので、もう2、3回は見に行きたいと思います。
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