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2013/08/31

[REVIEW] 劇場版 あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。

劇場版 あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。  http://www.anohana.jp/

  あのお別れから1年後、再び超平和バスターズが集まってめんまに手紙を書こう、と言う後日談になります。手紙を書くためにメンバーが色々考えることで、名シーンや過去の触れられていないエピソードが紹介される、と言う意味ではむしろ総集編的な作品といえるでしょう。
  この作品の最大のターゲットは、テレビやブルーレイで「あの花」を応援してきたファンであることは言うまでもありません。だから「あの花」の作品や登場人物の背景を熟知していないとわかりづらい作りになっています。もちろん、最低限の説明はなされてはいるのですが、時間も短い中で次々とエピソードが紹介されるので、初見の人には厳しいと思います。ただ、是非ともテレビシリーズをじっくり見てから映画を見に来てほしい作品だと思いますし、それだけの価値がある作品だと思います。
  それぞれのキャラにスポットは当てられているのですが、やはり、あなるについては力が入ってるなぁと思います。明確な答えはもらってないけど、自分の思った相手が両思いで、しかも片方がすでにないとなると、本当につらい立場です。そんな彼女が自分の気持ちをどう伝えるのか気になっていましたが、いかにも彼女らしい選択をしたなと思います。正直、人生の選択に正しい回答なんてものはないと思っているし、本人がそう決めたのだから、それはそれでありかなと思います。
  つるこさんとゆきあつくんの進学校コンビは、色々な意味で丸くなったかなと。なんとなく二人でいる関係は変わってないようですが、でも二人とも余裕が出てきたというか。こちらも告白なんてイベントはないようですが、そんなのはなくても通じるものがありそうな、そんな温かさを感じました。ぽっぽとじんたんに関してはそんなに変わってないのかなと。めんまに関するわだかまりがなくなった以外は普通にやりたいことをやっているのかと。
  今回は6人が出あった直後の、ちっちゃいめんまがさらにちっちゃかった頃のエピソードが描かれたのがファンには嬉しかったところです。6人でかくれんぼをしているシーンを見ているだけで泣きそうになりました。後は、自分の生い立ちから色々悩んでいためんまを自分たちの仲間に引き込んだじんたんは、やっぱすごいんだなと。めんまがじんたんのお母さんの願いをかなえるためだけに帰ってきた理由もわかるというものです、じんたんかっこいいっすよ。
  「めんまのいない世界」が描かれるというのは想定内だったし、それしか選択肢はなかったと思います。回想シーン以外でめんまが出てくることはなかったのですが、でも「めんまと一緒に過ごした街」で今をいきる超平和バスターズの日常がかいま見えたと言う意味でよい作品でした。なにより、劇場の大スクリーンで「エンディング」を見ることができたということに価値があると思います。何度もみたシーンではありますがやっぱり泣いてしまいます。
  ファンが作品を改めて思い返すためのダイジェストと言う意味ではすばらしい出来だったと思います。そして初心者のみなさんに「あの花」と言う作品を知ってもらう意味でも悪くはない出来だと思います。かつてめんまという女の子が、かつてあの花という作品が…、と懐かしさにふけれたと言う意味で、貴重な夏の体験をさせてもらいました。繰り返しになりますが、こんなすばらしい作品を送り出してくれたスタッフとキャストの皆さんに感謝の言葉を送りたいと思います。

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