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2013/02/09

[REVIEW] スタードライバー THE MOVIE

スタードライバー THE MOVIE  http://www.stardriver-movie.net/

  テレビ版の総集編としてみれば悪くないどころか実によくできていたと感心する出来でした。しかし冒頭の新作カットの存在が作品の評価を難しくしているのもまた確かです。いきなり新宿に現れたロボットたち。そしてそれをみまもる四方の巫女達とスガタ。そしてとどめはマッハ3.5で飛来する銀河美少年。スガタの横のポケットザメクも封印を失った巫女たちの役割も説明はいっさいなく、ただただバトルが行われる。はなから説明などをしようとせず、ともかく勢いで押し切ろうという姿勢がいかにもスタードライバーらしくはある。
  そしてそこからいきなり回想シーンへと入り、その回想が映画のメインストーリーとなる。タクトが島の海岸を訪れてから、最後にザメクとバトルを繰り広げるまでが、いい感じに間引かれて描かれる。そして池袋で関係者が集い、冒頭シーンへとつながるということなのだが、あれだけ派手なOPを打っておいて、今後の展開等は一切なし。ファンとしてはいいものを見せてもらったが、最後の最後に肩すかしを食らったという印象は否めない。
  2クールにわたる作品を2時間強に納めるのだから、カットされるシーンがあるのは必然ではある。ただ、カットされた多くがバトルシーンだったというのがスタードライバーらしくはある。バトルよりも大事なシーンでストーリーが溢れていたということなのだろう。ただし学園祭での舞台シーンがまるまるカットされていたのは残念だった。時間的にもシーン的にも映画に押し込むのは無理という判断だろうが、あれこそがスタドラの最大の名シーンだと思っているだけに残念だったといわざるを得ない。
  正直、総集編を映画館で公開するという選択については色々と疑問に思わざるを得ない。予想通りではあったが番組を見る上で生じた疑問の数々が解決されることはなく、むしろ新しい謎を増やしてストーリーが終了した。これが第二期への布石ということならば納得もできるが、現時点でそんなニュースは伝わってこない。せめて、OPのバトルシーンはもう少しラストに回すとかすれば、終わりよければで多少なりとも納得できた気がしないでもないが…。四方の巫女の歌がシーンともどもリニューアルされ、よりキャラになじんだ曲調になっていたり、ストーリーのつながりを意識して新作カットが加えられたことについては評価したい。それでも、OPのインパクトの前には、そんな些細な改良はぶちとんでしまっているというのが正直な感想である。

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