[REVIEW] ねらわれた学園
ねらわれた学園 http://neragaku.com/
まずはじめに断っておくべきことは、前世紀に公開された実写版とは完全に別物だということだ。時代背景も違えば実写とアニメの違いもある、むしろまったく同じに作ることの方が難しいが、それにしてもタイトル以外については完全に別物だと思った方がいい作品だった。
一番感情移入しやすいのは、ヒロインの立場に立ってストーリーを見ることだろう。幼なじみという枠から踏み出したくても踏み出せずいらつくかも。そして転校生に一目惚れするも、彼の正体を知って苦悩するかおり。パラレルに描かれるヒロインの苦悩は、甘酸っぱくもあり、涙なしにはみれないストーリーだった。それぞれのヒロインに訪れる結末については、映画の骨子をなすだけにあえて伏せるが、これも涙なしには語れないストーリーだった。立場をヒーローサイドに帰ると、SF色満載のストーリーを楽しめる。突然現れた転校生と潜在的超能力者、しかも転校生は未来人であり、月から来たという意味では宇宙人でもある。制作が角川というのを思い出すと苦笑せずにはいられない。そして出会った二人がバトルと思いきや、一緒に海水浴。彼らを待ち受ける結末についても、是非とも映画館で確認してほしい。
キーワードとしては「晴れ時々サクラ」である。春は桜の季節ではあるが、それにしても桜の花びらが多すぎだろうと(笑) まあ、大量の桜の花びらの中でも存在感を失わないヒロインやヒーローの存在感のたまものということなのだろうが。そして夏の海もまた印象的なシーンである。春、夏とこれほどまでの季節感を見せてくれたのだから、できれば秋や冬の情景も見たかったというのはわがままになるのだろうか。
エスエフ的に見ても今風にアレンジしてすごく見応えのある作品になっていたと思う。時間旅行の原理については深くふれられてはいないが、それはあくまでツールとして、そこから派生する出来事を描いたという点で見事なエスエフと言っていいだろう。ヒロインたちの演じるあまずっぱさに隠れてはいるが、映画史に残るエスエフ映画だと思う。
主人公にまゆゆを抜擢しているが、予想に反してすばらしい出来だった。何も言われなければ若手声優だと勘違いしたところだ。本人の努力とスタッフのサポートのおかげだろうが、文句なしと言っていい。周りの実力声優との演技でも全く違和感を感じることはなかった。もちろん、花沢さんや伊藤さんの演技も十分に堪能できる。ただ、戸松さんの声が認識出来ないのはまだまだ修行が足りないと反省せざるをえない。
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