[REVIEW] 伏 鉄砲娘の捕物帳
伏 鉄砲娘の捕物帳 http://fuse-anime.com/
全体的な雰囲気としてほのぼのとした感じだなぁと言う印象でした。伏を撃ったり切ったりして血は流れるし、燃えるお城の中でチャンバラをしたりするのですが、それでも作品全体に流れるほのぼの感は、笹本さんが書いていましたが「まんが映画」に繋がるものがあったと思います。
時代的には江戸後期あたりを想定している感じなので時代劇になるとは思うのですが、その割に全体的にカラフルです。このあたりは監督さんも言ってましたが、時代劇をまじめに作ると地味になってしまうからと言う狙いがあってのことなので悪くはないと思います。時代背景とか真実味とかは、アニメにしてはかなりがんばっていたなぁ、と言う印象です。
伏と少女のやりとりについては、ほのぼのとしたいい話ではあるのですが、全体的に地味というかおとなしめと言う印象は拭えません。見た人には「ああ、いい話だったね」と言う満足感は得られるのですが、映画館に人を呼ぶという意味では普通の客のみならず、アニメファンに対してもパンチを欠いた印象です。派手さがないけどいい話、と言うのを口コミ以外で伝えるのはなかなか難しいことは確かではあるのですが…。
いろいろな意味で派手で分かりやすい作品があふれている世の中だけに、たまにはこういう落ち着いた作品も悪くはないかと思いました。まあ、派手さはないといいつつ吉原とか描いている時点で子供にみせていいものか、という話もないではないのですが。作品としては大変面白かったのですが、マーケティングと言う意味でターゲットをどこにおいていたのかがわかりづらくて、その意味で大ヒットにはならないかなぁ、というのが残念です。
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