[REVIEW] Total Recall
トータル・リコール - オフィシャルサイト http://www.totalrecall.jp/
前作とは全然ことなる世界観や舞台設定を持つ作品ということで、昔の作品を全く知らなくても楽しめるSF超大作だったと思います。SF的なところがよくわからなくても主人公とその元妻が繰り広げるアクションを見ているだけでも十二分に楽しめる作品です。
今回は地球上のみのお話です。世界大戦によってイギリスとオーストラリア以外が生物の住めない世界になったというのも驚きではありますが、その間を貫いて列車のようなものが走っているという時点でSF者的にはたまらない設定です。20分足らずで地球の反対側にいけるというのはワクワクすることではありますが、それが植民地から労働をするためとなると、ちょっと複雑な思いに捕らわれます。しかも、それがイギリスとオーストラリアとか言ってる時点でかなり微妙な問題のような気がします。それをコロニーとか言ってますし…。
街の風景的には、特にコロニーサイドは「ブレードランナー」を連想させる混沌とカオスの町並みでした。それはそれでいいのですが、そこに出てくるのが感じで人々が中国人を筆頭とするアジアな人々ってのは、未だにそういうイメージを持たれているということなのでしょうか。アジアの人たちがアルファベットを喜んで使うのと同じ意味で漢字を使っているのなら問題ないでしょうが、日本人的には若干複雑な気がしないでもありません。
エアカーが飛び交う世界も、未来都市としての見た目は映えるのですが、わざわざ車を浮かす必要はないんじゃないかなとは思います。浮いたのものが故障すれば墜落は避けられないわけで、色々危険すぎるとは思うのですが。まあ、そういうつっこみは多々あるのですが、それでもエアカーが走る世界にあこがれるというのは確かです。でも車輪付きの車があったりヘリコプターは健在だったりするんだなぁと。どうせならVTOLとかの方が未来っぽい感じがするのですが、そこまでやるのは色々難しいと言うことなのでしょう。
とりあえず記憶を失った主人公が、色々ありながらも世界を救う話です。妻として一緒にくらしていた女性が実は監視役で、主人公を追いかけ続ける彼女の執念は、まるで逃げられた男をとられたかのような印象を受けます。レジスタンスサイドの元恋人が現れ、生死をかけて殴りあう姿には恐怖さえ感じます。特にエアカーでのカーチェイスとエレベーターでの追走劇は圧巻です。それにしても、女性が襲ってきてマウントポジションで殴ってきたり、女性同士が格闘をしたりなんてシーンが強調されるのが、今風の映画と言うことなんでしょうか…。
前作へのリスペクトということか、変装装置やおっぱいなお姉さんが出てきますが、それ以上にブレードランナーを連想させる未来都市や、スターウォーズを連想させるロボット兵の方が目立つ作品になっています。未来の描写が名作に類似してくるのはしょうがないのかなぁと言う気がしますが、もう少し見た目を違えてもよかったんじゃないかなぁとは思いました。
主役のお兄さんは森川さんでした。後は洋画畑の声優さんのようでした。その意味で公開館の少ない吹き替えにこだわることもないのかもしれませんが、なにせ映像から得られる情報量が多いので、字幕で見るには辛いシーンもあるように思いました。アクションを楽しむためには吹き替えの方が安心してみれると思うので。
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