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2012年5月

2012/05/19

[REVIEW] 機動戦士ガンダムUC episode 5「黒いユニコーン」

機動戦士ガンダムUC  http://www.gundam-unicorn.net/

  「さすがユニコーンだな」という感心の言葉しか出てきません。そもそもOVAのはずなのに映画館のスクリーンで見ても全く問題ない出来映え。「映画です」と言っても普通に信じてしまうこと間違いないすばらしい出来でした。
  物語も佳境に入り、黒のユニコーンことバンシィも登場して、ユニコーンとバトルを繰り広げます。再調整されたマリーナさんととらわれのオードリーを巡るバナージリディと二人の男の争いとか、いつものことではあるのですが見所満載です。話が進むにつれ飛び降りたオードリーを感じたバナージが受け止めに行ったり、推力が足りないからとモビルスーツで推したり、なんか逆シャアを連想させるような神がかったシーンの連発はどうなんだろうなと思わないでもないのですが、まあガンダムらしいと言えばガンダムらしいかなと(笑)
  地上でブライト艦長に会って背中を押されてオードリーとマリーナさんを助けて宇宙に上ったところで、フル・フロンタルの登場、クライマックスへの道筋がついたと言うところでしょうか。ただ、所詮1時間を5話しかやってないのに宇宙から地球に降りてまた宇宙に上った時点でせわしない印象は否めません。ラプラスの箱に関しても現時点ではまだまだ謎のベールに包まれてるし…。
  まあ、きちんと作ったガンダムは、やればやるだけヒットするものなので、第7作の作成決定も、必然とは言わなくてもあり得る展開なんだろうなと。しかも長編って時点でちゃんとした映画なんだろうし。まあ、どう考えても再来年になってしまうというのが心配なところではありますが。マリーダさんが帰って来ましたが、相変わらず可愛い女の子分は不足しているのがgンダムらしいかなぁと。とまっちゃんとか伊瀬さんとか、もう少し出番を増やしたり引き延ばしてもよかったと思うのですが。6話の公開まで1年近く間が空きますが、まあ期待させた分だけしっかり面白い作品を見せてもらいましょうということでお願いします。監督さんがホントに倒れそうな状況だったのがすごく心配な点ではありますが。


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[REVIEW] 虹色ほたる 〜永遠の夏休み〜

虹色ほたる 〜永遠の夏休み〜  http://www.nijiirohotaru.com/

  ちょっとノスタルジーを感じさせる絵と予定調和ではあるもののハッピーなエンディングのストーリーで涙を誘う、かなり大人向けの映画なのかなぁと言う印象を受けました。そもそも昭和52年、今から35年前くらいと言う時点で、若者たちは生まれていないわけで、そこにノスタルジーを感じるのはと言えば30代後半以降の世代になるわけです。そして水道も必要ないような山奥の田舎と言うのも、今となっては物語の世界の中の話になってしまっているわけで…。
  主人公の男の子が運命のいたずらから迷い込んだ山奥の里。そこで出会った女の子とは、因縁浅からぬ関係があったりするわけです。山奥であったおじいさんにスポーツドリンクをあげてなかったらどうなるかなぁ…とかなり心配なところではあるのですが、とりあえず一月ほど村で過ごすことに。ちょうどダムのせいで廃村になるタイミングと言うのも出来過ぎかなぁとは思わなくもないのですが(笑)
  ダムと言う近代化、そして都市化のなみによって失ったもの、そして失った人々との絆。色々描きたいことは沢山あって、かなりうまく描けている印象はあるのですが、エンディングのシーンだけはちょっとおとぎ話としても出来過ぎだったのかなと。結果として再会した二人がどうなったのか、女の子の目は見えるようになったのかとか、気になる点は全部おまかせでめでたしめでたしというのが若干引っかかるところではありました。ただ、それこそおとぎ話の神髄だと言われればおっしゃるとおりという気がするのでいいのかなと。
  一応大人キャストとして能登さんや桜井君がキャスティングされていますが、正直いなくてもよかったかなと。おとぎ話として終わらせるのだったら、大人の時代の後日談は、個人的にはなくてもよかったかなと言う気はします。ストーリーに関しては色々解釈があるとは思うのですが、手書き感あふれる映像描写については、ただただ感心させられました。あんなモニョモニョした絵をアニメとして動かせるのはすごいなぁと。あの絵と音楽を見るだけで映画ファンなら満足できるような気がします。
  夏になると思い出す日本映画の代表作にしたい、舞台挨拶で声優の皆さんが熱く語っておられました。ロボットも美少女も出ないし派手な戦闘シーンもないけれど、それでもすごくいい映画だったと思います。夏が来る度に見たくなる、まさにそんな名作映画だと思います。ただ、ここで描かれるような山村が、まさにおとぎ話の中の話になってしまいつつあるのが複雑な気持ちではありますが…。

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2012/05/04

[REVIEW] ももへの手紙

ももへの手紙  http://momo-letter.jp/

  いい話でした。あと、妖怪とか一杯出てくる田舎の話でした…。小中学校の授業の一環としての鑑賞もいいかもしれませんというような作品でした。
  リアルタッチというか劇画風というか、昨今人気の萌えアニメとは対極の描写がされています。そもそもキャストにしてもストーリーにしても、そういう層をターゲットにしてないから、それはそれでいいのですが。だからといってファミリー層を狙っているかというと、そういう訳でもなさそうだし。ジブリ的に名作良作アニメを作ろうとして無難に出来たかなという気がします。
  妖怪が出てくるとは言え、描かれるのは田舎のほのぼのとした話で、それはまあそれでいいんでしょう。ただし、クライマックスにいきなりカーチェイスというかアクションって、いくら何でも強引かなぁと。そもそも、どうやってお医者さん連れてきたんだよって肝心なところをスルーしたのは驚きです。まあ、色々ありましたが、最後近くの「手紙」のシーンが描けたということで作品の狙いのかなりの部分は達成できたのかなと。まあ、そこを描きたかったからこそ、タイトルが「ももへの手紙」だったというのは確かなわけで…。
  瀬戸内海の景色はきれいでした。妖怪が集まるシーンは結構力が入ってました。そして最後もうまくまとまりました。でも、なんとなくモヤモヤしたものが残るような残らないような作品でした。物語の大半が淡々と進んだように、「ああ、いい話だったね」というソフトな感想を狙っていた、ということなら、成功だったと思います。昨今、色々な意味でとんがった作品が多い中、このようなふんわりした作品も悪くはないような気がしました。

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[REVIEW] The Artist

アーティスト  http://artist.gaga.ne.jp/

  ビデオでもいいからサイレント映画を見たことのある映画ファンにとっては、懐かしさを感じずにはいられない作品に仕上がったと思います。ストーリー自体は単純です。時代を風靡した映画スターが、トーキー化の波に乗り遅れて没落していく。一方で偶然から彼がデビューさせた女優がスター街道をかけ上っていく…。そして思いあまった彼は…。
  音楽こそなりますし台詞もありますが、基本サイレントの形式を取っているので難しいことは出来ません。だからこそ分かりやすいストーリーになっていると言うことなのでしょう。物語は今から7、80年も前の話ではありますが、現在の映画やアニメ業界が変革期を迎えていることが、このような懐古主義とも言える映画を作らせているというのはアルもかもしれません。主人公がフィルムと挌闘したり、それが燃えたりするのも、なくなったとは言いませんがなくても出来る技術なんだなぁと思ったり…。
  作品を見て一番感心したのは、やっぱり犬の演技でしょうか。走ったり倒れたりほえたり、どうやって演技指導をしているのか不思議でしかたがありません。まあ、ハリウッドに集まってくるのは動物も含めて超一流ってことなんでしょうが。
  悪い映画だと言う気は全くないのですが、この映画がアカデミー賞で主要部門をとってしまうあたり、審査する皆さんの中にも昔を懐かしむ心が少なからずあるんだろうなぁという気はします。それ自体が悪いとは言いませんが、あまりに度が過ぎる懐古主義は業界の停滞を招くので程々にお願いしたいところではあります。まあ、年に1本ぐらいこんな映画があってもいいかな、とは思いますが、「ヒューゴの不思議な冒険」で似たような題材を見せられたばかりだったので(笑)

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2012/05/03

[REVIEW] Battleship

バトルシップ  http://battleship-movie.jp/

  アメリカの人たちはホントに戦争と言うかドンパチが好きなんだなぁと言うのを思い知らされる映画でした。まあ、しいて言うならば最近は陸軍の活躍が目立ってたこともあって「今度は海軍だ!」ってのが押されてたのが違いと言えば違いでしょうか(笑)
  序盤はとりあえず人物紹介を兼ねた軍隊の描写でしたが、太平洋での多国籍演習とかが妙にリアルなのが興味深かったです。むしろこのまま海軍映画にしてもいいんじゃないかと言う感じで力が入ってました。そこに宇宙人が攻めてきてバトル開始な訳ですが、宇宙の大海原を越えてきた割に、人工衛星との衝突で四散したり、ミサイルにやられたり、微妙に勝負になる程度に強くないのがどうなんだという感じです。まあ、アメリカ映画的にはいつものことなんですが。
  通信船が破壊されたことで天文台を占拠して母星との連絡を試みる宇宙人ですが、それにしてもそんな簡単に異世界の技術を使いこなせるものかと言われると微妙です。そしてわざわざやってきた宇宙人がは虫類的に日光に弱いとか、だったらどうして地球にくるのかねぇという様々な疑問は抜きにして戦います。そして主人公の属する部隊の大活躍で敵を無事やっつけてめでたしめでたしという、いかにもアメリカンなハリウッド大作でした。
  ただし、巡洋艦を失ったところで、展示されている戦艦を使うというアイデアは想定外でした。古い戦艦を動かして地球を守るとか、戦艦が空を飛ぶかと思いました(笑) おまけにロケットはないけどアンカーが大活躍してるし。主砲発射のシーンのドタバタといい、日本の古いアニメファンにはたまらないシーンの連発でした。さすがに鑑首から無敵のビームは出ませんでしたが(笑)
  いろいろ突っ込みどころは満載ですが、戦闘ものとしては大変よくできていたと思います。宇宙人とかのあたりを気にしなければすごく面白いです。なによりお金がかかっていて、さすがハリウッドです。ソナーを使って敵を追尾するあたりや、宇宙人のマウントディスプレイの画像が妙にゲームっぽいなと思ったら、ゲーム原作なのだそうで、どうりで派手に砲弾を撃ち合うなぁと…。中の人的には、主人公を置鮎さんが演じているのはわかりましたが、ヒロインを本名さんが演じているとはわかりませんでした。まだまだ修行が足りません。あと、浅野さんを本人が当てていたのは斬新でした。

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[REVIEW] Black & White

Black & White / ブラック & ホワイト  http://www.foxmovies.jp/blackwhite/

  まあ予告編の通りのスパイアクションかと思いきや、色々な意味で予想の斜め上を言ってたなと。エロ的な要素は予想できたのですが、まさかあそこまで下品な表現の連発とは…。吹き替えの台詞でさえ結構どぎつい表現の連発ということで、実際に英語だとなにを言っているのかはかなり怖いところです。まあ、男がいて女がいて、それが色々やろうとするという時点で上品な展開になりようがないわけで、それはそれで予想の範囲内なんでしょう。ただ、子供に見せていい映画かと言われるとかなり微妙な線だったことは確かです。
  そしてコメディ連発かと思いきや、結構真面目にスパイものもやってたり。部下の諜報員に機密と言って相手のデートぶりを追跡させるとか言うハチャメチャぶりがたまりません。まあ、あくまでコメディなんで全然オッケーだとは思います。なんのかんのいいながら任務的にも恋愛的にもしっかり収まるべきところへ収まったあたりが、鑑賞後の爽快感につながるかなと思います。
  松本&深見のWリカコンビが親子を演じてます。聞いている方が恥ずかしくなるような台詞をバンバン喋ってます。声優ファンならなにが何でも吹き替えで見てほしいところです。しかし、深見さんの熟女は、いつものこことは言えなんともはまり役でさすがでしたが、ヒロインに松本さんを使うのは斬新でした。非常に良かったと思います。
  すごく面白い作品ですが、唯一残念なことは、シチュエーションがすべて解決してしまったということで、続編はないんだろうな、と言うことでしょうか。名作とほめられる内容でもないし感動とは正反対の映画ではありますが、テンポよい娯楽作品としては最高の映画だったと思います。

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