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2009/04/28

[REVIEW] 劇場版 天元突破グレンラガン 【螺巌篇】

劇場版 天元突破グレンラガン 【螺巌篇】

  ストーリーの本筋は変えず、それで居て分かりずらい部分を説明するカットや、戦闘シーンをパワーアップさせることで、より見やすい内容にうまく仕上げたと思う。さすがに、終盤の戦闘シーンで、次から次へとキャラ別のロボットが出てきた時にはやり過ぎかとは思ったが、もともとそこに至る展開が破天荒なだけに、まあなくはないのかな、と言う印象。同様に最後の敵を倒すシーンが、ドリルでの突撃からシモンの拳での決着になったのも、第1作目でのロージェノムとの殴り合いに繋がるものがあり、悪くない結末の付け方とも言える。

  ニアが消えてしまうエンディングについては、個人的には好きではない終わり方ではあるが、作品の根幹に関わる部分だけに、変えなかったのは当然の選択だろう。むしろ、そのエンディングはTVシリーズと変えないよ、という意味でそれをにおわせるカットを入れ込んでより盛り上げる方向に持って行ったのは心憎い演出ではある。

  今回の映画化は、実は製作サイドがTVシリーズでやりたかったけど時間や予算の制約で出来なかったことをしっかりと描いたように見える。元々しっかりとした作品をベースに足りないところを補い、かつ映画館で初見のお客さんにも分かるような説明のエッセンスを追加した。そんな作品が素晴らしくない訳がない。TVシリーズを堪能し、ストーリーを把握していても、全く問題なく楽しむことが出来た。むしろ、新カットの連続の嵐は、TVシリーズのファンをターゲットにしていると言ってもよい。傑作の誉れの高かったTVアニメの名に恥じない、素晴らしい出来の映画だったと思う。

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